健二がゆく〜志士迷走記録〜

Kenji, was er nach der Rückkehr in die Heimat als Fußballtrainer macht, wo die Sonne aufgeht

パフォーマンスが向上しない?

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ブログを開設したのはいいが、はてさて何を書こうか?と考えあぐねてしまっていた。ふと、ある考えが、降ってきた。

折角日本へ帰ってきたのだから、ドイツでの生活やサッカーの指導で経験したことなど、いろいろあったドイツでの出来事を思い出しながら、時系列に関係なく思い出した順に書くと、きっと日本人の読者の方たちには面白いのではないだろうか、と。

 

ということで、まずは98年にドイツへ渡ってすぐの、ドイツで初めて指導したチームに関して書いてみたい。

隣り村にあるTSV Iffeldorf(テー・エス・ファウ イッフェルドルフ)でD-ユース(13歳以下)のチームの監督を、知人(ドイツ人指導者)の紹介から引き受けた。なお写真は残念ながら当時のそのチームではなく(写真のデジタルデータが、当時はなかった)、2003年に指導したFC PenzbergのC-ユース(15歳以下)のものです。あくまで、イメージとして見ておいてもらいたい。

 

さて、その13歳以下のチームを何回か練習をしてみて、日本での指導と比較して違和感を感じた。どこに?それは、ドイツ人選手は、なかなか上手くならなかったからだ。

 

「練習中にめきめき上達する日本人」と「なかなかパフォーマンスが向上しないドイツ人」

 

このことをさらに詳しく説明すると、「次の練習では、ほぼ元通りに戻ってしまっている日本人」と「前回の練習の状態からステップ・バイ・ステップで積み重ねて、確実に向上するドイツ人」とも表現できる。

 

当時、すぐにはその原因が何か?わからなかったが、ドイツで数年指導者活動を続けていくうち、おそらく国民気質の違いによるものであろうと理解するようになった。

ドイツ人は例え子供であっても、日本人と比較すると、非常に理屈っぽい。表面的にもよく喋るが、話すということは外へ出てくるだけのもの(言葉、考え)、ないしはそれ以上のものが頭の中に存在しているということだ。

 

そして、彼らは個人主義。学校は遅くとも14時までには終わり、家で昼食を取り、宿題をこなし、夕方のサッカーの練習へ顔を出す。

D-ユース(13歳以下)のチームの選手たちは、12歳〜11歳。日本で言えば小学校5年生、6年生の彼らであっても、毎日の生活の中の予定を自分で組み立てて暮らしている。宿題を終えなければ、親が練習へ行くことを許可しない中、日々の生活を自分自身でコントロールしながら過ごしている。

 

この辺りに、日本とドイツの違いが生まれる要素や、それを生み出す環境の差があるように思う。

 

この日本とドイツの差に気づいてからは、ドイツの選手たちが日本人のようにメキメキ上達しなくても、指導の際に焦ることはなくなった。

何故なら、彼らは着実に技術と戦術とコンディションを身に付け、ゆるい上達の曲線ながら、シーズンの中で確実に成長していくことを目の当たりにしたためだった。